2026.03.17

あなたにとって「良い利益」とは?―数字と想いを統合する経営のミニワーク―

あなたにとって「良い利益」とは?―数字と想いを統合する経営のミニワーク―

利益を出すことは、経営の基本です。

しかし、経営者と話していると、こんな言葉を耳にすることがあります。

「利益は出ているんですが…」

そして少し間を置いて、こう続きます。

「この方向で本当にいいのか、少し迷っています」

売上は伸びている。
利益も出ている。

それでも、どこか納得しきれない感覚がある。

この状態は、決して珍しいことではありません。むしろ多くの経営者が一度は感じる感覚です。

なぜなら、利益には数字だけでは表せない側面があるからです。


利益には「質」がある

利益は数字です。

しかし、その利益がどのように生まれたのかは会社ごとに違います。

例えば、次のような利益があります。

社員が疲弊しながら出した利益。
短期の売上を積み上げて生まれた利益。
価格競争の中で、なんとか残った利益。

これらももちろん利益です。

しかし、経営者の中にはどこか違和感が残ることがあります。

一方で、こんな利益もあります。

顧客から信頼されながら生まれた利益。
社員が誇りを持って働きながら生まれた利益。
会社の方向性と一致した事業から生まれた利益。

同じ利益でも、意味はまったく違います。

利益は数字ですが、その背景には経営の意思があります。

現場ではこんな判断が起きています

ある製造会社の話です。

利益率の高い案件がありました。

営業は言いました。

「この案件、利益率はかなり良いです」

しかし、現場からは違う声が上がりました。

「このスケジュールだと、かなり無理があります」

社員の残業が増える。
既存顧客への対応が遅れる。

それでも利益率は高い。

最終判断は社長です。

このとき重要になるのは、利益の基準です。

利益率だけで判断するのか。
それとも、社員の状態や顧客との関係も含めて考えるのか。

この基準が明確でないと、判断は揺れます。

経営の現場では、こうした判断が日々積み重なっています。


ミニワーク

ここで簡単なワークを紹介します。

紙を一枚用意してください。

そして次の3つを書き出してみてください。

① 会社として誇れる利益
② 違和感のある利益
③ 続けたい利益

5分で構いません。

書き出してみると、自分の判断基準が少しずつ見えてきます。

多くの経営者は、頭の中では考えています。しかし言葉にして整理する機会はあまりありません。

書き出してみることで、利益に対する自分の考え方が少しずつ整理されていきます。

数字と想いを統合する

利益は数字です。

しかし、会社は数字だけで動いているわけではありません。

理念。
価値観。
組織文化。

これらが重なり合い、会社の方向性が形づくられていきます。

その方向性と一致した利益こそ、その会社らしい利益です。

短期的には利益が出る仕事でも、会社の方向性と合わない場合があります。

逆に、すぐに大きな利益にはならなくても、会社の未来につながる仕事もあります。

その違いを見極めるために必要なのが、経営者自身の判断基準です。


経営の軸

最終的に経営を支えるのは、外部のノウハウではありません。

経営者の中にある判断の軸です。

どの仕事を受けるのか。
どの顧客と付き合うのか。
どの利益を選ぶのか。

その判断の積み重ねが、会社の未来をつくります。

そして、その判断の背景にあるのが利益の定義です。

自分にとって良い利益とは何か。

それを言葉にすることで、経営の判断は少しずつ明確になっていきます。


最後に

あなたにとって、良い利益とは何でしょうか。

この問いは、単なる数字の話ではありません。

会社の方向性を整える問いでもあります。

一度、紙に書き出してみてください。

その答えの中に、あなたの会社らしさが見えてくるはずです。

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